アタシより強けりゃネ[完]

2-Aの邦親くん

さゆみんの息づかいは心底

“面倒だ”

と…これが彼女の言う“疲れた”で“ライフを戻したい”なんだ。それでも、さゆみんのアレを“喧嘩”なんてこじつけた細谷がまだちょっかい掛けてくるなら、俺も見逃すつもりはないよ。

「ヤダ…ほら…そんなことを調べる人がいるって、どういう人とお付き合いしてるんですか?三井先輩、ホントその人、危ないで…」
「自分の交友関係を棚に上げて、さゆみんのことを言うのは恥ずかしいよ、キミ。さゆみんは危なくない。全くね…キミの方が危険人物だと思うけど?」
「危険人物だなんて…ヒドい…」

ここで涙声か…ショボいな。

「うーん…俺は基本、女の子の味方なんだけど、今のはチカに一票」
「俺もチカと豪にさんせー。ここで泣くなら西サユに絡むなよって言いたい」
「……西サユ…って…アタシ?」

さゆみんが正季くんをゆっくりと見ると

「アタシのことだね。アイドルっぽい呼び方でいいでしょ?よろしく」

正季くんはピースした2本の指をヒラヒラと振った。拍手が起こった中、はぁ~っと小さなため息を吐いたさゆみんは

「とにかく…もういいかな?これ以上、アナタと話はないし…アナタが何を言いたいのかも分からないし…お昼休みも終わっちゃうし…」

そこまで力を振り絞ってから

「もしかして…細谷さん…アタシじゃなくてクニチカに話があったんじゃない?」

想定外のことを言った。オイオイオイ…さゆみん…それは永中の奴らのことより爆弾発言じゃないか?勘弁してくれ…
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