アタシより強けりゃネ[完]
「同じなら交換して」

細谷ルミの声に周囲ざわつくが、私は彼女の優れた聴力に驚いた。

「スッゴク聞こえてるんだ…」

これは私でも気をつけてとても小さく呟くと、ナオキとナオキ兄がブッと吹き出し、北中さんはサムズアップを私に向け、クニチカが私の頭を撫でた。ん?褒められた?

「西サユ、サイコー」

ナオキ兄の言葉は無視して

「交換してよ」

細谷ルミが一歩踏み出す。あぁ…飴ちゃんが…

「何を?」
「友達」
「ヤダ」
「学園のトップを独り占めしていい気にならないで」
「そんなのより…アタシはアナタのお友達が要らないって言ってるんだけど?」

そこでザワッとしたので

「ああ、ココの人のことじゃなくてね。細谷ルミさんのお友達って永中の彼らでしょ?あんなの要らない」

もう有耶無耶に出来ないだろうと思った私ははっきりと言った。

「どこまでカッコつけるの?」
「別に…はぁ…仕方がないよね…関係ない人まで交換のモノ扱いってムカつくし…」

そう言いながら私はポケットからスマホを出すと、アノ音声を再生した。
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