アヤメさんと僕

彼女の過去を思う

もう来ないだろう。
そう思っていたが、彼女はまたやってきた。
僕が休みだった日で、カットのご希望もあり、店長が担当したという。
今度は一転穏やかで、普通に会話していったらしい。

店長が話の内容を教えてくれた。
ご主人は亡くなり、3人の子は寄り付かずに一人暮らしをしていること。
ご主人は海上自衛官で、ほとんど家にいなかったこと。
入港すると、子どもたちを連れて会いに行ったこと。
短気な人でよく怒鳴られたこと……。
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