幼なじみって、言わないで!



「きゃあっ!!」


そんなことを考えていると、鋭い悲鳴が聞こえた。
そっちの方を見ると、女の子が倒れている。


「うわ、どうしたのかな」
「バールが倒れてきたみたい」


女の子は足を押えてうずくまっていた。


「私、行ってくる」
「あっ、佑奈!まって」
「なに?」


「ほら、翔大くん」


え?
視線を戻す。


少し離れていたところにいたはずのしょうが、その女の子の元に駆け寄っていた。
何か少し言葉を交わして。


しょうは、その女の子をお姫様抱っこした。


もや。


きゃあ、とまた周りの女の子が叫ぶけど、それは悲鳴じゃなくて、歓声だった。


しょうはその子を抱えたまま、多分保健室に行った。


もや。
もや。


「……?」
「…やっぱ、かっこいいね」


真希は珍しく、騒がずになんか気まずそうにしていた。


「なに?」
「……あ、いや。えっと」
「はっきりいいなよ」


あれ、私、なんか怒ってる?

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