【続】ハーフ☆ブラザー 突然出てきた弟に溺愛されてます!
エレベーターを待つトオルくんに追いつき、ぎりぎり一緒に乗りこんだ。

「……二人とも、変なところで素直じゃないわね?」
「そかな。
───……あ、オレオレ。
……ばっか、詐欺なら間に合ってますじゃねーよ、迎えに来いっての。
……フラレたとか言うな、アホ。解ってんならつまんねーこと言ってねぇで、早く来いや」

エレベーターのボタンを操作した直後、取り出したスマホに向かって、トオルくんは毒づいた。
……すごい命令口調。相手誰だろ。

「……やっぱ、センス良いな、あいつ」

止まったエレベーターから降りて、トオルくんが言った。

一瞬、なんの話かと思ったけど私の左手に視線が注がれているのに気づき、笑ってみせた。

「ああ、これね。トオルくんの知り合いに頼んだって聞いたけど?」
「黙ってて悪かったよ。けど、あいつはサプライズにしたかっただろうし……。
ま、佐木さんが喜んでくれたなら何よりだけどな」

ふっと笑って、夜気を吸いこむように、トオルくんは大きく伸びをした。

私は、エントランスの方を振り返った。
……大地が来る気配は、なかった。

「───……来ねーよ、あいつは。いまごろ必死こいてオレのこと佐木さんの親父さんに、弁明してるだろーからさ」

トオルくんが、私の胸中を察したように言って、苦笑いした。
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