期待、するから
「……瑞稀は信じたの?」
悲しそうな顔でこっちを見るから、つい申し訳ない気持ちになるけど、でも仕方ないじゃん。
「信じたっていうか……。まぁ、そうなんだって思った」
信じたくはなかった。
だからずっと棘が刺さったままだった。
「じゃあ、これで違うってわかった?」
「うん」
「なら良かった。俺は瑞稀一筋だし」
サラッと言われた言葉に、顔が熱くなる。
「てか、今日エイプリルフールなのに」
「え? あぁ、うん」
「わざわざこんな日に告白とか」
苦し紛れの苦情は、ただの照れ隠しだと、蓮に気づかれただろうか。
「まぁでも結果オーライだし」
にっと笑った蓮が、もう一度抱きついてくる。
「瑞稀、好きだよ」
あぁもうなんでも良いや。
今日が何の日だって、蓮が私を好きだというだけで、全てがどうでもよくなる。
「うん。私も」
4月1日。エイプリルフール。
人生で1番、幸せな日。
〜fin〜