期待、するから

「……瑞稀は信じたの?」

悲しそうな顔でこっちを見るから、つい申し訳ない気持ちになるけど、でも仕方ないじゃん。


「信じたっていうか……。まぁ、そうなんだって思った」


信じたくはなかった。

だからずっと棘が刺さったままだった。


「じゃあ、これで違うってわかった?」
「うん」
「なら良かった。俺は瑞稀一筋だし」


サラッと言われた言葉に、顔が熱くなる。


「てか、今日エイプリルフールなのに」
「え? あぁ、うん」
「わざわざこんな日に告白とか」


苦し紛れの苦情は、ただの照れ隠しだと、蓮に気づかれただろうか。


「まぁでも結果オーライだし」

にっと笑った蓮が、もう一度抱きついてくる。


「瑞稀、好きだよ」


あぁもうなんでも良いや。

今日が何の日だって、蓮が私を好きだというだけで、全てがどうでもよくなる。


「うん。私も」


4月1日。エイプリルフール。

人生で1番、幸せな日。


             〜fin〜
< 15 / 19 >

この作品をシェア

pagetop