四葉に込めた一途な執愛

プロローグ




「ちなみ、目が覚めたんだな……!」


 目が覚めて、最初に飛び込んできたのはとても容姿の整った綺麗な男性の顔だった。

 その人は私のことを「ちなみ」と呼び、大粒の涙を浮かべて私を見つめていた。
 泣き顔がとても綺麗だと思った。

 だが、その人が誰なのかまるでわからなかった。


「誰……?」


 それどころか私は、自分自身が誰なのかさえもわからなかった。



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