総長様は可愛い義妹に永遠の愛を​​捧ぐ
#1 妹が出来た日
​────12歳・春

「まほちゃん、これから家族になるんだから遠慮はしなくていいからな?」

「うん!!ありがとうっ」

今日から私の苗字は‪”‬月下(つきした)‪”‬から‪”‬星川(ほしかわ)‪”‬になる。

パパのお葬式の後、私は孝宏(たかひろ)さんと手を繋いで、新しいお家に向かっていた。

元々身体の弱かったママは私を生んですぐに亡くなってしまったし、それ以来私はずっとパパに育てられてきた。

ーー((パパがずっと面倒見てやるからな))

そう言ってくれたパパの顔がポウッ…と浮かび上がる。

先週。

パパは交通事故でこの世を去った。

あまりに突然の別れに、正直まだ受け止めきれていない。

親戚もいないし天涯孤独とはまさにこのこと。

すぐに児童相談所の人が家に尋ねてきて私はこれから施設に預けられる所だった。

でもパパが生前、自分達に何かあったら娘をよろしくと中学時代からの友達である孝宏さんにお願いしてくれていたらしく、身寄りのない私を家族として迎え入れてくれることになったのだ。

「まほちゃんは目元がこうちゃんにそっくりだなぁ」

孝宏さんはパパのことを昔からこうちゃんと呼んでたみたい。

「パパにもよく言われてた!」

「そうか〜、やっぱりなぁ〜」

今日の葬式中もずっと涙が止まらなかった私のことを気にかけてくれてた孝宏さん。

今だってこうしてお話ししてくれてるのはきっと私を励まそうとしてくれてるんだと思う。
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