好きを極めた乙女の駆け引き
安心院くんはこっちを見ないで、天を仰いでいる。いつものテキトーな質問なのか、考え抜いて絞り出した質問なのか、表情からは読み取れない。
わたしは視線を正面に戻して、口を開いた。
その瞬間、頭に、ピリリ、と電撃が走る感じがした。
答えは決まっている。
好きよ、好き。2年前からずっと好き。
ひとめぼれだけど、どうしようもなく恋い焦がれるほどの純愛だ。だれがなんと言おうと、純愛。
けれど、それは心の中の答え。正しい答えじゃない。
『敵よ、敵。10年来の敵。2年しか知らないけどね』
それが正答。だから、そう答えようとした。なのに――。
「好きよ、好き。2年前からずっと好き」
口が勝手におかしなことを言う。