孕むまでオマエを離さない~孤独な御曹司の執着愛~
ちなみに服は大手量販店『ニャンユー』で買ったグレーのロングナロースカートに白カットソーと、仕事着と大差はない。
髪はいつもどおりひっつめ結びにし、簡単に化粧をして黒縁ウェリントン眼鏡をかければ完成だ。

「いい天気……」

リビングにある大きな窓からは燦々と日の光が降り注いでいる。
屋上は庭園になっていると言っていたし、ちょっとお散歩に行ってもいいかも。

とりあえずなにか飲もうとキッチンへ行ってみる。
よく掃除されていて綺麗だが、綺麗すぎて反対に使っていないんじゃないかという疑惑が持ち上がってきた。

コーヒーマシーンとそれにセットするカプセルは発見した。
コーヒーを淹れているあいだに、失礼ながら冷蔵庫チェックをさせてもらう。

「空だ」

立派な冷蔵庫が鎮座していたが、僅かばかりの氷が入っているだけだった。
昨日の夜も外食だったし、もしかして家では食べない人なんだろうか。

「うーん」

コーヒーを飲みながら、することもないのでテレビをつけて眺める。
海星本部長は有料動画配信をいろいろ契約しているみたいで、そこはちょっと嬉しい。

「帰ったぞー」

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