【リレーヒューマンドラマ】佐伯達男のおへんろさん

【今度こそは大丈夫…と思ったらまた…】

そして私は、先輩が経営する渋谷にあるパチンコ屋さんに再就職した。

与えられた仕事は、フロアと水回りの清掃である。

月給は、手取りで38万円…

三食と従業員用のアパートがついていた…

…高待遇であった。

再び安定した収入を得ることができた。

将来の展望が見えてきた…

さあ人生これからだ…

…………

…と思ったら、また非常事態が発生した。

私がパチンコ屋さんに再就職してから３年半が経過した頃であった。

パチンコ屋さんの経営が突然悪化した。

先輩は、従業員さんたちにお給料が払えなくなったと伝えたあと行方不明になった。

従業員さんたちの間に、動揺が広まった。

それから２ヶ月後であった。

先輩が不馴《ふな》れな相場に手を出したことが原因で経営していたレジャー会社が倒産した。

先輩は行方不明になった。

会社が経営していたレジャー施設は、すべてテイトウに入った。

私は、再びどん底に突き落とされた。

そしてあの日、私は四国へんろの旅に出た。