kissしてサイキック‼~無能力者のハズの私が生徒会に溺愛される⁉~

11:お母さん

「まいの本当の姿?」
「はい。芥川先輩なら見たことあるかなって……」

 次の週の月曜日、放課後。
 私は思い切って芥川先輩にそんな質問をしてみた。芥川先輩は目をぱちくりさせている。

「あれ? 桜さん、まいが男って……」
「あぁ、はい。日曜日にまい先輩から教えていただいて……。私、大分失礼な態度とってましたよね」
「いや、それは大丈夫だと思うけど。……そうか、まいが自分から」

 芥川先輩は少しだけ考えるような素振りをすると、にっこり微笑んだ。

「そうか、ありがとうね。桜さん」
「え? あの、それってどういう……」
「ふふ。なんでもない。あと、まいの本当の姿だけど……もう少しまいの心の準備が必要だと思うんだ。だから少し待っていてくれないかな。すっごく気になるだろうけどね」

 芥川先輩の言葉に私は俯く。
 そりゃ、そうか。私、最低だ。まい先輩のいない所で、こんなことを聞くなんて……。
 そんな私の心情を察したのか、芥川先輩がフォローしてくれる。

「まいのことを知ろうとしてくれて僕は嬉しいよ。これからもまいとは仲良くしてあげてね」
「はい。むしろ、私が仲良くしてもらっている立場なので……。今週末も一緒に映画に行く約束をしてるんです」
「そっかそっか」

 芥川先輩はさらに嬉しそうに微笑む。その笑顔がなんというか……自分の子供を見守る母親のような……母性を感じるような……。きっとこういう芥川先輩だからこそ、生徒会の個性あふれる先輩達を慕っているんだろうな。
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