リングノート〜必ず君を甲子園に連れて行く〜

野球の厳しさ

それから3ヶ月以上が過ぎたが、

相変わらず日野と俺は仲が良くて、

俺は今まで以上に練習を頑張れた。

野球をするのに彼女なんて邪魔だと思っていたが、

こんな気持ちになれて、

こんなに野球を頑張れるなら、

もっと早く彼女を作ればよかった。


今日の夜も日野と電話をする約束をしている。

それを楽しみに俺は練習を頑張っていた。


そして、明日は待ちに待った

春の甲子園大会第一試合。

相手は、甲子園初出場のチーム。

レベルは俺たちの方が遥かに上だから、

落ち着いて練習通りにやれば、

俺たちは勝てるだろう。

1年でベンチ入りしているのは、

ピッチャーの俺、サードの烈、

そして忍者というあだ名を持った

凄腕ショートの田中颯太(たなかそうた)の

3人だけだった。

俺達はスタメンではなかったが、

日野は坂口と細姫と一緒に甲子園まで

試合を見にきてくれると言っていた。


何試合目になるかわからないけど、

南雲先輩が全試合投げるのは厳しいだろうから

2番手の俺は必ずどこかの試合で

出場するだろう。

抑える自信しかなかったし、

とにかくかっこいい姿を

日野に見てもらいたかった。
< 22 / 53 >

この作品をシェア

pagetop