離婚前提婚~冷徹ドクターが予想外に溺愛してきます~
圭吾さんの気持ちがわからない。

どうしてたかが契約で結婚しただけの私を、本当に愛しい人みたいに扱うの?

彼は幾度も私に優しくキスをする。それは魔法みたいに体の力を抜いていく。

脱力した私に気をよくしたのか、彼の口づけが激しくなる。

服の中に彼の手が入ってきて、私の素肌に触れた。

難しいオペも神速でこなす指が、器用に私の弱いところを探る。

こんなの、ダメなのに……。

いつかは離婚することが決まっている。

あなたの身体を覚えたら、つらくなるだけなのに。

なのにどうしても、押しのけることができない。

嫌悪感も恐怖もない。ただあなたを感じていたいと、本能が叫んでいる。

私は理性を手放し、裸の彼の背中を抱きしめた。

< 177 / 246 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop