Cotton Candy.
 じゃあこんな甘いの、選ばなきゃいいのに。
 その言葉をぐっと飲み込んで、私は綿谷さんが自分の席に戻るのを見送る。
 憧れのひとにもかわいくない反応をしてしまう私は、かわいくない言葉をできるだけ閉じ込める。

 ほんとうはもっと、話したい。
 もっと、近づきたい。
 でも、それよりも“苦手”、“怖い”、が、先にきてしまう。

 彼だけじゃない。
 私は、男のひとが苦手だった。
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