人気アイドルと同居します!

始業式

「え、でも…迷惑だし…」

「いーからっ!行くよー」

みんなが私をグイグイ押しながら2年生の教室へ向かっていく。

虹ヶ丘学園は4階建て。

1階は職員室とか音楽室、理科室など。

2階に3年生。

3階に2年生。

4階に1年生。

学年が上がれば上がるほど移動が楽になる。

それだというのに、みんなは私を教室まで送ると言っている。

4階の春樹くんや、私と同じ階の秋夜くんはまだしも、2階の夏葵くんと冬真くんは、ムダに階段を登らなきゃいけなくなっちゃう。

「つーか、全員兄弟学級ってのは驚きだな」

そう、私達は学年は違うけど、全員A組だったのだ。

兄弟学級だと、一緒にレクをしたり、全校で行う林間学校で班を組んだりできる。

でもFastiのみんなはきっと大人気だろうから、私とは組まないと思う。

「じゃあ美羽ちゃん、帰りにね」

もう教室の前についたみたい。

「ばいばーい」

「じゃあな」

秋夜くん以外のみんながそれぞれの教室に移動していった。

「なか、入ろっか」

「…ん」

秋夜くんとはほとんど喋ったことがないから、距離感がよくわからない。
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