意地悪なクラスメイトが、最近甘くて困ってます
「希空、口の端に生クリームがついてるぞ」
海斗くんに指先で口元を拭われ、またドキッとしてしまう。
まさか生クリームがついていたなんて、恥ずかしい。
私は、頬が一気に熱くなるのを感じる。
「ふは。希空、耳まで赤くなっちゃって。かーわいい」
海斗くんが私の頬を、親指の腹で撫でてくる。
「希空、まじで可愛すぎる。その顔、陸斗には絶対に見せんなよ?」
「心配しなくても見せないよ」
「本当に? 真っ赤な顔の希空も、笑顔の希空も……どんな希空も全部、俺だけが独占できたら良いのに」
海斗くん……?
「好きだよ、希空。希空の心には今もまだあいつがいるんだろうけど。俺はいくらでも待つし、絶対に希空のことだけは諦めないから」
このとき私は改めて、海斗くんの強い意志みたいなものを感じた。