空色の手紙は執着愛の証 ~溺愛は再会とともに~
…少しの間、他愛のない話をしながら優しい時間が流れていたのだけど、徐々に賢太郎さんの表情にオトコが見え始めた。

『はぁ…もう那知が可愛くてだめだ……な、アレしてもいい?』

「っ……ん、いいよ」

赤い顔でそう答えた私は、通話媒体であるパソコンをテーブルの上から床に置き、着ているものを全て脱ぐと、寒くないように上にモコモコのカーディガンを一枚だけ羽織った。

「位置、大丈夫かな…見える?」
『ん、バッチリ。…はぁ、たまんねぇ…』

オトコの情欲を隠さない賢太郎さんの視線に、私のオンナを司る心が反応すると、私は催眠術にかかったかの様に、気持ちよく賢太郎さんの言葉に従ってしまうんだ。



……実は、私が山形に移ってからのある日、賢太郎さんから「プレゼント送ったから」って連絡があって、届いた小箱を開けてみたら、手のひらサイズのかわいらしい形の小物が入ってたの。
何だろう、何かのオブジェかな…?と一緒に入ってた紙を見たら、それはなんと大人の夜の玩具!

びっくりして、その日の夜のビデオ通話で、賢太郎さんに「コレ何!?」って詰め寄ったら『ビデオ通話でそれ使おうな!』って!

「無理無理無理!」
って拒否したんだけど…

結局それを使って…楽しんでしまっている。


だって…

賢太郎さんに言われるがままそれを使い快楽にふける私を見て、賢太郎さんもまた自らの手で悦びを感じてくれてるから…
それが恥ずかしくも嬉しくて…


それに…

私を求める賢太郎さんの表情を見ていると、お互いの想いが届いてる様で…

紅羽さんの事…

懐紙の手紙の人の事…

不安に思うこと全てを、その時だけは全て忘れることができたから……

< 119 / 189 >

この作品をシェア

pagetop