空色の手紙は執着愛の証 ~溺愛は再会とともに~
…何度目かの絶頂で意識を飛ばした那知が、俺のベッドで柔らかい寝息を立てて眠っている。

さっきまで快楽に顔を歪ませてた妖艶なオンナと同じとは思えないくらいの可愛さだ。

ふ、堪らねぇな、このギャップ。
でもほんとに那知は癒しだよ…

その頬に軽くキスをして、寝室を出た。




…そろそろ親父にも結婚の連絡をしておくか。


RRRRRR……RRRRRR……


『……賢太郎か』

「あぁ。…今、少し時間いい?」

『珍しいな、どうした』

「俺、結婚するから」

『そうか、やっと紅羽さんと結婚する気になったか』

「いや、違う。結婚相手は親父の知らない子だよ」

『何?……お前には許嫁の紅羽さんがいるだろうが。何をバカな事を言っている』

「それに関しては俺はずっと断ってきた。紅羽とは結婚しないと最初から言い続けてきた。…それを親父達が勝手に言ってただけだろ」

『…紅羽さんの何が不満なんだ。あんなに素敵なお嬢さんなどそうそういないはずだが』

「何が不満か?…そりゃあ俺の愛する彼女ではないからだよ」

『何だと…?…ではお前の選んだ相手は紅羽さん以上だとでも言うのか』

「あぁ、そうだ。彼女以上の女なんていない」

『ほぅ……お前がそこまで言うのなら一度会わせなさい。私が見定めてやる』

「会わせるのはかまわないが、見定める必要はないよ。何と言われようが、俺は彼女と結婚するから」

『……とにかく一度会わせなさい、話はそれからだ。そうだな…今は立て込んでいるからな……あぁ、再来週の週末はどうだ』

「…俺は今のところは空いてるけど。たぶん彼女も」

『その週末は仕事の話で良美さんと向こうで会うんだ。華舞に来れるのであればその時に時間を取ろう』

「あぁ、たぶん行けると思う」

『…では良美さんにお願いして部屋を用意してもらうが、それでいいか?』

「いいよ。彼女にも伝えておく」

『…私が反対しても、その女性と結婚するつもりか』

「あぁ。誰が何と言おうと、俺は彼女と結婚するよ」

『…だいぶ入れ込んでるみたいだな。それほどの女性、か……ハハハ、結婚どころか女性に全く興味を示さなかったお前にそこまで言わせるとは、さぞかし素晴らしい女性なのだろう、それは会うのが楽しみだ。じゃあ…時間は連絡する』

「わかった。それじゃ」

通話を切り、スマホをソファに軽く投げる。

……やっぱ、すんなりとは行かないか。

まぁそれでもいい。
俺が結婚したいと思うのは、後にも先にも那知だけ。
それだけはしっかりと伝えたい。


だが……心配だな。
たぶん親父は、俺が紅羽以上のお嬢様を捕まえたとでも思っているんだろう。

でも那知はそういう意味では親父が求めている人物像じゃないからな…

会わせた時に那知を傷付けるようなマネをしなきゃいいが…

ってそれは俺がガードするけど、それでもやっぱ不安は捨てきれねぇな…


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