ドロ痛α様に狙われて

 年下風紀委員くんなんて酷いの。

 鋭い眼光を私に突き刺しながら


「オメガフェロモンは風紀を乱す!」


 逃がさんとばかりに、私の手首をギュっ。


「今すぐ風紀委員室に来い!」


 無理やり引っ張って、密室に私を監禁しようとするんだ。



「フェロモンを放ってしまうのは、歌夜さんのせいではありませんよ」


 風紀委員くんから私を助けてくれた先生に、感謝をしたいところだけど。

 警戒を解くわけにはいかず……

 この大人も要注意人物なわけで……



 先生は私の耳に唇を近づけ、コソコソコソ。


「卒業するまで、誰のものにもならないでくださいね」


 甘い密たっぷりのおっとり笑顔を、私だけに咲かせてきて……


 
 心臓に悪い学園生活は、毎日なの。

 野いちご学園のアルファ様5人衆とすれ違ったら、いつも絡まれちゃうの。

 他の生徒がいてもお構いなし。


 本当にやめて欲しい。

 オメガの私に、極力関わらないで欲しい。
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