幼い頃、ゆびきりをした人は次期社長候補のあなたでした
ダイニングに行くと母が朝食を用意してくれていた。
両親と3人家族、父は出勤が早いので基本母と朝食は食べる。
ひとりっ子でのんびり屋さん、食事もゆっくり噛んで食べる。
怜花は大学を卒業して社会人三年目の25歳、飲食業のチェーン店を手がける神谷コーポレーションに勤務する社長秘書だ。
最近は《焼肉〜龍臣〜》(りゅうじん)が全国に次々とチェーン店を増やしている大手の親会社なのだ。
就活をする時に父親が受けてみれば?と言ったから受けてみると内定をもらった。
「実は社長の神谷は同級生なんだよ、怜花は憶えてないのか?小さい頃によく遊んでたのに」と言われたが憶えていなかった。
普通に親のコネだったが怜花はそこそこいい大学を出ていて英語も堪能だった。
入社式で社長を見てなんとなく憶えがあるような…顔を見てもはっきりとは思い出せない。
3ヶ月の新人研修の後、海外事業部に配属されたが上司から秘書の資格を取って欲しいと言われて言われるままに取ると2年目から秘書課に配属になり社長の秘書になったのだった。