吸血鬼の彼女(仮)
「今日の5時間目は50メートル走の計測をします。今日は出席番号最後の人から……」

二学期初めての体育…。

体育はあんまり好きじゃない。

実は私、すっっっごく運動音痴で鈍臭いんだよね…。

笑われませんよーに……。

最初は夜霧くんだ。

「よーい、《パンッ!!》」

「キャー♡夜霧くんー!はやーい♡」

あちこちから黄色い声援が飛び交う。

でもその通りで、本当に速い。

目にも止まらぬ速さで、あっという間にゴールしてしまった。

「記録、5秒…ピッタリ……!!」

「すごいっ。」

思わず口に出てしまうほどの速さ。やっぱり少しは吸血鬼のスペックも影響してるのかも。

それにしてもすごすぎるよ。
……かっこいいな。

ーーーー
ーーー


次は自分の番かぁ。

「よーい、《パンッ!》」

とにかく精一杯がむしゃらに走った。

「よし、ゴールっ!」

つ、ついたぁー。結果は酷いけど…。

「って、う、わぁっ。」

《ズシャーッ》

「痛っ……。擦りむいた…。」

ゴールして気抜いた途端に転ぶとかドジすぎ…。
とりあえず傷洗って保健室に絆創膏貰いに行こ。

「先生ぇ!転んだので傷洗ってきます。」

「おう。」
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