ハーフ☆ブラザー その瞳もこの唇も、僕よりまいさんの方がいやらしいのに?
「まいさんに語る想いなら、何千何万っていう言葉を尽くすよ。
もっとも、僕の数少ないボキャブラリーじゃ、語り尽くせやしないけどね」
瞬間、まいさんの身体が傾いて、やわらかな唇が僕の唇に押しあてられた。
まいさんの体温は、なんでこんなに優しいんだろう?
「……いつもアホみたいに語りすぎなのよ、あんたは。言葉も、身体も」
あきれたような物言いなのに、まいさんから向けられる眼差しは、僕を溶かしてしまいそうに、甘い。
だから僕は、いたずらっぽく笑ってみせた。
「じゃあ今度は、身体で語ろうか? まいさん、今夜は眠れないけど、いい?」
握った指先にキスをすると、乱暴に手が振り払われた。
「いいわけないでしょ、バカッ」
「───あれ? いまのまいさんの言葉って、どう考えてもお誘い系だったのに、違うの?」
「どういう変換の仕方してんのよ! あんたの脳みそはっ」
……透さんだけでなく、まいさんからも突っ込まれた僕の脳は、まいさんへの愛情で、できているんだけど。
それはまた、違う機会に語らせてもらおうかな。



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