鑑賞専用チャライケ眼鏡攻略対象者に、何故か狙われてしまうことになったモブ令嬢は私です!
 まあ、私はそんな彼のことを、外見の良い鑑賞専用と割り切って、時折目の保養を楽しんでいた。

 時期的に言えば、乙女ゲームは一年前に既に始まっているはずだけど、私はゲームが今どうなっているとかは、あまり気にしていない。というか、気にならない。

 何故かというと、ギリギリでこの学園に入れた私には、勉強があまりに大変過ぎるのだ。現代でいうところの有名な進学校を記念受験したけど、奇跡的に補欠合格して、案の定の結果として全く勉強について行けない。

 そんなこんなで、私は高校時代にあたるこの二年半、必死で勉強して来た。

 王家や貴族、そして、この国でも特に選ばれた優秀な学生が集まる学園には、あまりにも勉強することが多過ぎる。

 乙女ゲームの登場人物たちは、元々優秀な頭脳を持ち、なんなくこなしてしまうだろう。

 来世に転生する予定のある皆、乙女ゲームの舞台を舐めてかかると、痛い目に遭うよ!

 ……私みたいに。この学園入る前に記憶が戻っていたら、絶対入学しなかったのに……。

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