私の白王子と黒王子

攫われた聖奈

「んっ……」


目を覚ましたそこはベッドの上だった。


部屋の内装的にどこかのホテルみたいだ。


服は……良かった、着てる。


両手は縄のようなもので縛られているけれど、それ以外特に拘束はされていない。


「おぉ〜お目覚めか。思ったよりよく眠ってたな」


現れた男を見て私は呆然とした。


「る、い……?」


いやいや、類なわけがない。


だって類は……そうだ、類!


「類は? 私のボディーガードはどこ⁉︎ 無事なの⁉︎」


「フハッ。自分よりも番犬の心配かよ。お優しいご主人様だな」


言葉遣いとか話し方とか、細かい所作は全く違う。


でもそれ以外、顔や姿は類と一緒。


もし目の前の男が銀髪じゃなくて黒髪で、黙っていれば類と間違えてしまうかもしれない。


それくらい、目の前の男は類に似ていた。
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