俺が貴女を護ります~エリート海上自衛官の溺愛~
「お待たせいたしました。それではマッチングの発表です! 本日のマッチングは2組でした! 1組目は3番さんと17番さん、2組目は10番さんと20番さんです! おめでとうございます!」

「わ、わぁっ! やったぁ!」
「よかったじゃん結芽」

 結芽は思わず小さな声で喜んでしまった。自由に席に座っていたため、隣にいる夏希に肘でつつかれながら笑われる。

「私は収穫なしだよ~。ま、楽しんで! じゃあね~」

 マッチングしたふたりは別室に通され、仮面を外して連絡先を交換することが運営に勧められた。
 一通り運営からのサポートを受けた後、近くのカフェでもう少し話そうということになり着替えをしてから場所を移したが、仮面を外した彼の顔立ちに結芽はなんだか見覚えがある気がした。

「勘違いだったらすみません。鳴海さん、どこかでお会いしたことありましたかね? なんだか知り合いに似たような人がいた気がして」
「……今野結芽って同姓同名の人だったらどうしようと思って、初対面のふりしていたけど。その通り。俺たちは知り合いだ。湊小学校を5年生で転校した鳴海航平」
「あっ、やっぱり! 途中で転校しちゃったし、申し訳ないけど名前は下の方しか覚えてなかったし……顔を見てもしかしてって思ったの。面影があったから」
「そうか。少しだけでも覚えてもらえていたようで嬉しいよ」

 航平はほんのわずかに笑っている。表情は豊かな方ではない印象だが、その微笑みに、結芽は胸がどきりとした。

(小学校ぶりに再会した彼の微笑みにどきりとしちゃうなんて……!)

「お待たせいたしました。ケーキセットです」

 頼んでいたアイスティーとチーズケーキのセットが届き、火照る身体をおさえるためにゴクっとアイスティーを喉に通した。

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