【激辛ヒューマンドラマ】マッチング
第10話
時は、4月26日の朝7時半頃であった。

智大《ともひろ》の実家の前にパートさんが運転する車が停まっていた。

家の中から新《あらた》と佐永《さえ》と浩暉《こうき》が出てきた。

パートさんは、やさしい声で『一緒に行きましょうね。』と言うた。

この時、浩暉《こうき》が怒った声で言うた。

「ふざけるなよ!!メートクに行きたくないのになんで行かなきゃいかんのだ!!」

パートさんは、困った声で言うた。

「浩暉《こうき》くん、どうしたのよ?」
「オレはメートク以外のコーコーに移りたいのだよ!!」
「浩暉《こうき》くん、きょうは金曜日よ…今日がんばったら明日は休みよ〜」
「ふざけるな!!」

(ガツーン!!)

思い切りブチ切れた浩暉《こうき》は、パートさんのこめかみをグーで殴りつけた。

その後、ひとりでどこかへ行った。

「浩暉《こうき》!!浩暉《こうき》待ちなさい!!」

佐永《さえ》は、浩暉《こうき》を呼んだ。

浩暉《こうき》の耳に佐永《さえ》の声は届いていなかった。

時は、朝8時半頃であった。

またところ変わって、日本食研《ショッケン》の工場の敷地にて…

工場の敷地に、日本食研《ショッケン》のロゴ入りの白のトヨタカローラのライトバンが停まっていた。

助手席に、本社《キューデン》の女性従業員さんが乗っていた。

それを見た智大《ともひろ》がライトバンに勝手に乗り込もうとした。

そこへ、本社《キューデン》の男性従業員さんがやって来た。

男性従業員さんは、智大《ともひろ》を止めた。

「コラ!!やめなさい!!」
「なんや本社《キューデン》の男性従業員《クソガキ》!!」
「やめなさい!!」
「オンナよこせ!!」

思い切りブチ切れた智大《ともひろ》は、本社《キューデン》の男性従業員さんをボコボコに殴りつけた。

その後、智大《ともひろ》は勝手にライトバンに乗り込んだ。

(ブロロロ…)

智大《ともひろ》が勝手に乗り込んだライトバンが工場の敷地から走り出した。

時は、午前9時半頃であった。

またところ変わって、智大《ともひろ》の実家にて…

紗希子《さきこ》は、電話の応対をしていた。

電話は、日本食研《ショッケン》の工場からであった。

智大《ともひろ》が本社《キューデン》の男性従業員さんをボコボコに殴りつけたあと車を強奪したあとラブホへ行った…

その挙げ句に、智大《ともひろ》は女性従業員さんをレイプした…

ことの次第を聞いた本社《キューデン》の人が激怒している…

…と伝えられた。

紗希子《さきこ》は、ものすごくつらい表情で言うた。

「もうしわけございませんでした…うちの子が犯したあやまちは、親である私に非があります…智大《ともひろ》が過去に女性のトラブルを犯した時には、分かるまで教えました!!…女性の身体《からだ》には大事な部分があると言うことを厳しく言いました…帰って来たら、怒鳴り声をあげて…ぺちゃんこにつぶして言うことを聞かせます!!…すみませんでした!!」

ものすごくあつかましい声で言うた紗希子《さきこ》は、ガチャーンと電話を切ったあとキー!!といらついた。

そこへ、佐永《さえ》がやって来た。

佐永《さえ》は、ものすごくつらい表情を浮かべていた。

紗希子《さきこ》は、佐永《さえ》に声をかけた。

「あら、佐永《さえ》さん。」
「義母《おかあ》さま。」
「パートはどうしたのよ?」
「きょうは、休みました。」

佐永《さえ》は、ひと間隔おいてから紗希子《さきこ》に言うた。

「日本食研《ショッケン》から電話があったのね。」
「そうよ。」
「智大《ともひろ》がまた暴れたのね。」
「そうよ…本社の男性従業員さんをボコボコに殴りつけたあと、車を強奪したのよ…助手席に座っていた女性従業員さんを連れてラブホへ行ったのよ…その後…女性従業員さんをレイプしたのよ!!」
「女性従業員さんは、どうなったのよ?」
「大ケガを負ったのよ…サイアクだわ…」
「大ケガを負った…」
「明日、工場に来てくださいと言われたのよ。」
「工場に来てください…」
「この最近、智大《ともひろ》は工場で暴れてばかりいるので、退職勧告《かんこく》を受けるかもしれない…」
「もしかしたら、4月12日にあった工場の従業員さんたちが参加したお見合いバスツアーに行けなかったことが起因しているのじゃない?」
「それはどうか分からないけど…智大《ともひろ》はまだお給料が少ないから…」

紗希子《さきこ》が言うた言葉に対して、佐永《さえ》が怒った声で言うた。

「義母《おかあ》さまがそのようなことを言うから智大《ともひろ》がすさんだのよ!!」
「分かってるわよ!!だけど智大《ともひろ》は、過去に女性がらみのトラブルを起こしているのよ!!」
「それじゃあ、智大《ともひろ》は結婚相手は必要ないと言うことですか!?」
「そんなことは言ってないわよ!!」

(ジリリリリリリン!!)

この時であった。

うぐいす色のプッシュホンのベルがけたたましく鳴った。

「アタシが出ます。」

汐夏《しおか》は、大急ぎで受話器をあげた。

「はい尾儀原《おぎわら》でございます…もしもし…おとなりの奥さまですね…分かりました…すぐに伝えます!!」

汐夏《しおか》は、大急ぎで佐永《さえ》に伝えた。

「佐永《さえ》さん大変です!!」
「どうしたのよ?」
「浩暉《こうき》くんが、ガッコーでまた暴れました。」
「また?…それでどうなったの!?」
「浩暉《こうき》くんがケーサツに逮捕されました…気に入らない男子生徒数人をナイフで斬《き》りつけて殺した…10人前後の生徒が大ケガを負いました!!」
「ええ!!」
「浩暉《こうき》くんは、殺人の容疑で逮捕されました!!」

知らせを聞いた佐永《さえ》は、頭を抱えて座り込んだあと号泣した。

「もうイヤ!!もうイヤ!!」

それから60分後であった。

ところ変わって、宅間《たくま》にある漬け物製造工場にて…

浩介《こうすけ》の元にやって来た竹宮《たけみや》が浩介《こうすけ》が持っていた刃渡りのするどいナイフで斬《き》られた。

「オドレクソガキ!!」
「ふざけるな!!ぶっ殺してやる!!」

(グォーン!!)

浩介《こうすけ》は、近くにあったチェーンソーで竹宮《たけみや》を斬《き》りつけた。

「おぼえていろクソガキ!!」

竹宮《たけみや》は、その場で死亡した。

浩介《こうすけ》は、竹宮《たけみや》を殺した容疑でケーサツに逮捕された。

ケーサツの取り調べに対して、浩介《こうすけ》は『竹宮《たけみや》におどされた…』と言うてセートーボーエーを主張した。

さらに浩介《こうすけ》は、3月31日に山之内川の最上流で発生したレイプ殺人事件についても供述した。

これにより、浩介《こうすけ》の仮出所は取り消し…

また、刑務所《ムショ》へ戻ることになった…

マッチングアプリが原因による悲劇は、これよりクライマックスに突入する。
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