【おまけ追加】子犬系男子は待てを知らない
「華麗なドリブルにシュート。果敢に攻める強気な姿勢……」
「もう!」
恥ずかしいからやめてってば!
とあたしは愛花をペシペシと叩く。
「えー、それは見たかったな」
「俺も」
「……や、見なくていいです」
ほんと恥ずかしすぎるから。
……まったく。
とため息をついたその時、
「ん?」
と愛花が小さく声を落とした。
「雪平くんどしたの、その腕」
刺された指の先を見た瞬間、ドキッとせずにはいられなかった。
ガーゼ。昨日あたしが手当したままだ。
「あー、これ。昨日部活でちょっと」
「怪我?」
「うん。思ったより腫れちゃってさ。でもすぐに手当してもらったから大丈夫。……ね?」
えっ!
覗き込むようにして雪平くんがこっちを見たのと同時、ぶわっと顔が熱くなった。