君に恋した俺の負け。

01.見てるだけでよかった。


時計の音がやけにうるさく感じる。
カチカチカチカチ…。
あの子がくるまでまだ少し時間がある。

「若、どうされました?」
「…なんでもないよ。」
「そうですか?あの件に____」

仕事に集中しないと。
外回りに行くと言う名目で
あの子を見に行けるんだ、仕事に集中。

ケータイを見ると既に17時過ぎだった。
危ないもう少し遅かったら今日あの子を見れなくなっていた所。
仕事もあらかた済んでいる。
あとは帰ってきてからにしよう。

「少し外に出てくる。」
「え?!若おひとりですか?」
「あぁ、すぐ戻るよ」
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