君とふたり、忘れられない初恋を。
(課題作戦)
「この課題忘れちゃったんだけど…!」
「俺もやってない」

(家族作戦)
「莉音ちゃんが、旭陽元気かって言ってたよ!」
「元気だって言っといて」

(思い出作戦)
「小学生のときさ!」
「覚えてない」


必要最低限の返答のみで、にこりとも笑わない旭陽に、頭を悩ませる私。

昔はあんなに一緒にいて、旭陽のことなら任せろって思っていたのに、旭陽の考えてることが全く分からない。


…昔は、もっと優しくて、もっと笑ってたのに。

性格まで変わってしまったようにも思える旭陽に、私は足踏みを繰り返していた。


「(…うん、決めた。シンプルに帰り誘おう)」


同じクラスになってしばらく、旭陽が部活に入っていないことは確認済みだった私はそう心に決める。
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