再会したスパダリ社長は強引なプロポーズで私を離す気はないようです
「千夏、愛してる」

「私も…」

こんなにも本気で私を求めてくる人が他の女性を見てるわけがない。藤堂さんは私のことが好きなんだ。だから私のために努力して社長にまで上り詰めた。

それだけでも褒めるべきなのに、今はそんな藤堂さんの腕の中で抱かれている。私には勿体ないくらい素敵な恋人だ。


「これからは千夏に寂しい思いはさせない。俺は千夏の側を絶対に離れないから」

「約束してくれる?」

「ああ、もちろんだ」


そういって指切りをした。ふと目をやると、藤堂さんの薬指にも私と同じ指輪がつけられていた。まだ結婚はしていないから婚約指輪なんだろうけど、お揃いのものをつけているだけで嬉しい。


「今日はたくさん愛してあげる。千夏が嫌だって言っても朝までするつもりだから」

「うっ…。お手柔らかにお願いします」


「俺が手加減できたら、ね」

「っ…」

私を見つめる藤堂さんの瞳は血に飢えたケモノのようだった。理性を失った男性というものはこんなにも変わってしまうのだろうか。

さっきまでの優しくて笑顔が素敵な藤堂さんも良かったけど、今の男らしい藤堂さんもカッコいいと思ってしまう。どちらの顔も魅力的な藤堂さんは罪な男だ。

それから私は藤堂さんにたくさんの愛を注がれた。藤堂さんの言葉に嘘はなく、外が明るくなるまでシたのは二人の秘密。
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