同窓会に行ったら、知らない人がとなりに座っていました
 


 夜道を二人で歩いて帰りながら、田中はいろいろ考えていた。

 俺が応援したい相手……。

 こいつのような気がするんだが。

 人様の応援とか、お前、自分のスランプ克服してからにしろよとか言われそうだが。

 『天花めぐる』か――。

 なんか応援しなくても、自力で立ち直って駆け上がっていきそうな名前だな……。

 知り合いを推しにするのって、別におかしくないよな。

 こいつ、一応、有名パティシエだし。

 ……うん。

と田中が自分を納得させているころ、めぐるも同じことを考えていた。



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