同窓会に行ったら、知らない人がとなりに座っていました
 そこで、
「こんばんはー」
と若林とルカがやってきた。

「若林さん~っ」
とめぐるが雑誌を手に若林に訴える。

「あの、私と田中竜王が仲いいって記事はともかく。
 なんですか、この『田中竜王VS天花めぐる』ってあおりはっ。
 なんで戦ってるんですか、我々っ」

 そうめぐるが言いつのっても、
「いや、ほら、結婚生活ってバトルですから」
と若林は笑っている。

「……結婚するとか言ってませんけど」

「えー?
 もう住まいなくなったんでしょ? 取り壊されて。

 田中竜王のところに住めばいいじゃないですか。
 実家帰ってないで」

「いや……そんなことより、なぜ、俺の方の写真。
 全部コスプレ写真なんだ」

「去年の王将戦のときのコスプレ。
 僕は、第二局のときのが一番お気に入りです。

 田中竜王が、レッサーパンダの着ぐるみを着て、威嚇するように両手を上げているのが、勝利の雄叫びのように見えて」

「いやっ、もっといい写真あっただろっ」
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