愛されることを知らない私は、御曹司様と出会い溺愛される
プロローグ
歴史のある財閥の家に生まれた。

父は忙しい人で家にほとんど居なかった。

母は「可愛らしい子が好きな人」だった。

姉が三人と、妹が一人の五人姉妹で、私だけ世渡りが上手ではなかった。

ただそれだけだった。


「お母様、私、このお洋服が欲しくて……!」

「あー、ずるい!私もお母様と一緒にお買い物に行きたいわ!」

「お母様、今日も大好き!」


小さい頃から、姉も妹も可愛かった。

お母様に沢山可愛がって貰えていた。

裏で、「お母様の陰口」を言っていても。


「今日も相変わらずお母様は単純な人よね」

「えー、私はなんでも買ってくれるから好きだけど」


私は、そんな家庭が苦手で苦手で仕方なかった。
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