11本の薔薇を君に贈る
しくじった、
いま、そう思っても仕方ないし
どうにかなる問題ではない。

まずは、落ち着いて脱出できる隙をうかがおう、なんてただの気休めでしかないことを思いながら目の前の男を見つめる。

大好きな人、4年間必死に探し続けていた人、それなのに、記憶の中とは似ても似つかないほどの冷たい目をした男

記憶では、いつも優しく甘い笑顔を向けられていることしかなかった。
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