幼なじみの天才外科医に囚われたら、溺愛甘々生活が始まりました
婚約して、そのまま結婚すれば、もう真衣は俺だけのものだ。


「翔くんは、それで問題ないの……?」
「問題? あるわけないだろ。むしろ好都合」


俺がそう言うと、目を丸くした真衣。でもすぐに、嬉しそうな笑顔を見せた。

やっとだ。やっと可愛い笑顔が見れた。
やっぱり真衣は、笑っていた方がより可愛い。

そうと決まれば、早いところ真衣を俺のマンションへ引越しさせなければ。いや、その前に、連絡先を聞くのが先か。


「真衣、連絡先聞いてもいい?」
「えっ。うん、いいよ」


そう言った真衣は、ポケットからスマホを取り出してメッセージアプリのIDを表示する。

10年越しに知れた、真衣の連絡先。本当なら、俺が県外の高校へ行くと決めたときに聞くべきだったんだろうな……。

でもこれで、いつでも真衣と連絡が取れる。


「ありがとう。連絡してもいい?」
「う、うん。大丈夫」


真衣の敬語が崩れてきた。
彼女が心を開いてきたようで、嬉しくなる。

ちょうどそのとき院内スマホが震え出した。どうやら病棟からの呼び出しのようだ。


「ごめん。呼び出された」
「大丈夫。仕事頑張ってね」


花のような笑顔で俺を送り出してくれた真衣。

そんな真衣が可愛くて可愛くて。思わずキスしようとしてしまったことは、一生黙っておこうと思う。
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