続》キミに…Kiss

その後も、誰の目から見ても…様子がおかしい愛理。


本人はまるっきし自覚ねぇんだろうけど。


コイツくらいウソがつけなくて、わかりやすいヤツは他にはいないと思う。


さっきから黙ったままで、どこか一点をボーッと見つめて歩いている感じ。


どうしたっつうんだ。


「なぁ…お前、あそこに突っ立って、結局なにやってたんだ?」


「ただ…ミナミと話してただけ」


こらっ!早速ウソついてんじゃねぇよ。


お前、1人だったじゃねぇか。


そう思ったけど、コイツが必死についたウソに付き合ってやることにした。


「ふーん。それでなにをそんなに2人で話しこんでたわけ?その間、俺すげぇ待ったんだけど」


俺はこんなふうにフツーに質問しただけだった。


だけど、また…バカなコイツは、悲しいことに自らシッポを出してしまう。



「あ、あたしっ、陸とどこまでいったとか…エッチの話なんて絶対にしてないから!」

< 50 / 190 >

この作品をシェア

pagetop