あなたを抱きしめる、唯一の

 その言葉を言い終えて、全部思い出にして生きていこうと思った。


「!……ん、ぅう!」


 大きな手のひらに頭をがっしりつかまれたかと思うと、口を覆うようにキスをされていた。


「ぷはっ、……んぅ、や」


 呼吸が苦しくて口を開ければ、待っていたと言わんばかりに舌が入ってくる。器用に口の中を舐め回されると、背筋を甘い痺れが走った。

 もう片方の手は肩から背中に回されて、さらに密着しようとしてくる。シートは翻弄されている間に倒されていた。


「や、んぁ、やめてぇ……ふ、うぅ」

「……そんな顔でよく言えるな」


 ようやく解放され肩で息をしていると、私に覆い被さる影が囁いた。


「俺が、父親のために好きでもない女に告白したと思ってるのか」

「あ……」

「父の過去は関係ない……この気持ちは、俺だけのものだ」


 抑揚のない声と、表情の見えない顔に固まった。指の一本も動かせば、相手はどう出るか全くわからない。呼吸が浅くなる。舌が凍りつく。
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