夜の帝王の一途な愛
「ごめんなさい、ちょっとビックリしちゃって」
彼はドアの向こう側から優しく声を掛けてくれた。
「俺の方こそごめん、でもいい加減な気持ちじゃないから」
ドアを開けた私に彼は続けた。
「思ってたより以上に、どんどんあゆみに惹かれている自分がいる」
うそみたいな展開に、私は茫然と立ち尽くした。
 次の日、指輪を買いに行く事となった、彼の独断で強引に。
「指輪どんなのがいいかな」
彼は子供のように、ワクワクしながら、ウインドウの指輪に熱い視線を送っていた。
「指のサイズはいくつ?」
「分かりません、私、指輪はお気持ちだけで十分です」
何とかこの場を乗り切らなくてはと思い必死だった。
「大丈夫、これにしよう」
全然私の話聞いてない。
彼はいつでも即決で、悩むと言う文字は彼の辞書には無いかのように決断する、ある意味羨ましいと思った。
私はいつも迷ってばかりで、物事を決められない。
もし、彼の言っている事を信じて、ずっと一緒に居られたら、私の人生は、今までと違う物になるだろうと思った。
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