夜の帝王の一途な愛
えっ?どうしよう、急にそんな事言われても
「夜中手が震える度にあゆみ呼ぶのも悪いし、先生が、初めからベッドを共にして、手を握ってもらって寝るとぐっすり眠れると思うので試してみてくださいって言われた」
なんだ、そういう事か、やだ、私ったら。
「大丈夫ですよ、試してみましょうか」
彼のベッドで彼の手を握って、一緒に寝るって、もうドキドキして私が平常心じゃいられない、もう無理。
私は一睡も出来なかった。
彼はというと、落ち着いて魘される事もなく、ぐっすり寝られたみたいだ。
毎日これじゃ、私一睡も出来なくて死んじゃう、どうしよう。
頭痛も治まったようで、少し彼に笑顔が戻った。
「頭痛治まったみたいですね、お薬効いてきたからですかね」
すると彼が驚きの事を言ってきた。
「あゆみは俺の安定剤だな、ぐっすり眠れるようになったから、頭痛も治まってきたと思う、あゆみがいないと、俺生きていけないな」
「そんな事ないですよ」
彼が、こんな事言うなんてびっくりした、でも嬉しかった。
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