心がきゅんする契約結婚~貴方の(君の)元婚約者って、一体どんな人だったんですか?~
 従兄弟とすぐに離婚してしまう予定の契約妻だったとしても、ぜひこの機会に知り合いになって、願わくばすべての事情を知っておいてくれる程度に仲良くもなっておきたい。

「ええ。もちろんです。ジョサイア。あの……お願いがあって」

「なんでしょう?」

「陛下にお会いするのなら、夜会用のドレスを新調したいと思うのですが」

 私は社交界デビュー早々に色々とあって、それ以降の夜会にはほとんど出席しない。それに、未婚貴族令嬢と既婚者である貴婦人のドレスは、同じように見えていてもデザインが少々違っている。

 だから、私がモーベット侯爵夫人として、夜会用ドレスを一着作っても良いかとジョサイアに確認すれば、彼はなぜか不思議そうな顔をしていた。

「あ。式用のドレスのサイズを直す時に、なんでも注文して良いからと言っておいたので、あの時にドレスもいくつか注文していると思っていたんですが」

 ジョサイアは私にサイズ直しを担当してくれた王家お抱えお針子室で、確かにそう言ってくれた。けど、それはサイズ直しするドレスに関しての注文のことだと思っていた。

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