ヨルの殺人庭園

プロローグ

 死屍累々の上、人に座って、彼女はケラケラと笑っていた。足をばたばたと揺らして、愉しそうに。
 死体の周りには様々な凶器が落ちていて、死体同様血生臭さを発していた。ザアザアと降る雨が血を流して、まるで血の洪水みたいになっている。そんな中、雨も差さずに彼女は空を仰いでいた。

──嗚呼、人間ってなんて愚かで面白いんだろう!

 そう言って死体の山から降りると、今度はつまらなそうに口を尖らせる。

──今度は誰で遊ぼうかしら? うーん、そうだな……

 そしてこちらへと近づいてくる。読者である私目がけて歩いてくる。カメラが落ちて、割れて、不気味な笑い声が聞こえてくる。

──次は、キミにしよーっと!
< 1 / 19 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop