その溺愛、契約要項にありました?〜DV婚約者から逃れたら、とろ甘な新婚生活が待っていました〜

36 君は反則*【ラッセル視点】

♦︎♦︎
「気恥ずかしくて」

そう言って視線を逸らした彼女の顔が窓から差し込む夕日に照らされて赤らんで見えて、瞳も潤んでいるように見えた。

彼女の耳もとで揺れるピアスは、自分が贈ったもので、キラキラと輝いていた。

その横顔に猛烈に胸を掻き立てられた。

帰宅に合わせ、出迎えに出てきてくれた彼女の様子が少し変で、どこか不安な気持ちがあったのも大きいかもしれない。

もしかして、夫婦関係の事で友人に何か言われたのだろうか? 女性同士の話はなかなか明け透けだとも聞く。
契約関係を盾に色々と性急に進めてしまった事に何か言われたのだろうか?
もしかして心の伴わない行為が苦痛だとか……距離を置きたいとか、寝室を別にしたいとか……そんな事を言われるのではないだろうか、と不安になった。

それなのに、その理由がじっと見られるのが恥ずかしいからだと……まるで自分に恋しているようなその横顔が可愛すぎて、安堵と共に咄嗟に彼女を抱きしめた。

いったい友人とどんな話をしていたのだろうか? だがどうやら彼女が少しでも俺を意識をしてくれるきっかけにはなったらしい。


すぐにでも押し倒してしまいたい衝動に駆られたものの、なんとか少し冷静になって、呼び鈴を鳴らしてメイドに夕食の時間を変更させた。本当は部屋に運べといいたいのを堪えたのはここだけの話だ。


そうして随分周りを固めてから、彼女の意思も聞かねばならないと思い直して「嫌か?」と問うてみれば、彼女は戸惑いながらも首を横に振ってくれた。


それにホッと息を吐いて、そして遠慮はいらないとばかりに彼女の身体を隅から隅まで堪能する。


「あぁ……っ、はっ、らぁすっ!まって!」
快感に弛緩する彼女の肌をゆったり撫でる。


最近ようやく慣れてきたらしい彼女はシーツを掴んで懇願する様に俺を見上げる。
それが逆効果だとも知らずに。


初めこそ、達する事を怖がっていた彼女も、随分とその感覚には慣れてきたようで、なんとなくその前兆を掴みだしたようだ。


掴んだ彼女の腰に力を込めて突き上げると、彼女は「きゃ、ぁん」と小さな悲鳴をあげて達した。


彼女の豊かな乳房とピンと立ち上がったその先端が、差し出されるようにふるんと震えた

その一つを掬いあげて揉みしだく。吸い付くような柔らかい肌の感触と弾力がたまらない

「ふっうっ、っ、っん」
腰を揺らしながら、彼女がフルフルと震える。

中がギュンギュンと締め上げてきて、一度達した上にまた波がきたのがわかる。

目を瞑ってシーツに顔を半分隠している彼女の手を取り、顔を出させる。

瞳を潤ませて快感に浮かされている可愛らしい顔を隠すなんてもったいない。

もう片方の手も握ってシーツに押し付けると、彼女はぼんやりとした視線をこちらに向ける。

その視線が……また、たまらなくて。

ぁあ……もう限界だ。なんで君はそんなに可愛らしくて、こんなにも俺を煽るのが上手いのだ。

彼女を抱くまでこんなに心を掻き乱すような経験はなかった。

こんなに、切なくて、痛くて……愛おしい存在。


彼女のこめかみと額にキスを落として。俺はゆっくりと抽送を再開する。


「っあ!っ、待って、だめ! だめぇっ、また……またきちゃうっ‼︎」

いやいやと首を振って懇願する彼女を見下ろす。

きゅうっと手を握る力が強くなって、そうしてびくりと身体を跳ねあげて達した。

限界まぎわにいた俺自身も、そんな彼女の中の熱く吸い付くようなうねりにつられて達し、彼女の中に欲を吐き出した。
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