完璧御曹司の溺愛



「でも、盗み見をするようなはめになってしまった」


 誰だって、知らずに見られているのは、いい気持ちはしないだろう。


「ごめんね。怒ってる?」


 理央は恥ずかしそうに首を横にふった。
 

 許してもらえた事にホッとしながらも、自分の事で怒る理央も、いつか見てみたいと思うのは意地悪だろうか…。 


「もう、あんなふうに盗み見たりしない。これからは、こんなに近くで理央を見てられるんだから」


 屋上のライトに照らされている、理央のピンク色に染まった頬。


 それは、絵を描く自分を勝手に見られたという、ただの照れに過ぎない。

 
 今、目の前に立っているのが誰であろうと、理央はこんなふうに頬を染めるだろう。


 それが少しだけ、気に入らない。



「桜の花の髪飾り、理央の今の頬の色と同じだね…」


 「可愛い…」と囁くと、ついに恥ずかしさの限界を迎えた理央は、少しだけ距離を取るように、手すりに手をかけチョコチョコと横歩きをした。


 困り果てた理央は、そんなふうに俺から離れて行こうとする。

 
 その愛らしい行動が、俺の心に毎回、火をつけると言う事に、理央は気付いているのだろうか?


 悠斗は理央の腰に手を回すと、一気に自分に引き寄せた。





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