ハニーレモンとビターチョコ〜双子の兄の溺愛注意報〜


「怪我なんて大袈裟だよ。ちょっと鼻血出ただけだから」

「十分怪我じゃないか!大丈夫?」

「もう大丈夫だよ」


 心配してくれる依蓮くん、優しすぎる。


「今日は生徒会の活動ないから、一緒に帰ろう。待ってるね」

「えー、いいの?」

「心配だから、そうさせて」


 優しすぎる依蓮くんにキュンキュンが止まらない。
 ふわふわ美味しいハニーシフォンケーキを初めて食べた時と同じくらいキュンキュンしちゃう……!


「うん、一緒に帰ろう!あ、後でジャージ返しに行くねっ」

「ん、わかった。じゃあ後でね」


 去り際に依蓮くんにポンと頭を撫でられて、メイプルシロップくらいとろけそうになってしまった。

 ああ、今日も推しが最高……。


「あっ、そういえば佐藤くん、何か言いかけてなかった?」

「あ、いや……甘木さんのお兄さんって副会長だったんだ」

「そうだよ」

「そ、そっか……や、やっぱりなんでもない!ごめん!」

「? そう?」


 なんだかわからないけど、佐藤くんが青い顔していたような気がする。
 気のせいかもしれないけど、なんだか慌てているような。


「それじゃ、先に教室戻るねっ」
「うん、ありがとねー」


 わたしはヒラヒラと手を振って佐藤くんを見送った。


「(あの副会長にあんなに睨まれるとは思わなかった……!!)」
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