そしてまた歩きだそう
エピローグ
その後僕は、定時制の高校に進んだ。家でも勉強していた事もあって、授業は置いていかれずに済んだ。初めはなれない学校に不安だらけだったが、周りの人達の支えで何とか昨日卒業出来たところだ。4月からは、私立の大学へ行くことにした。定時制の高校から入ったからそこまで偏差値は高くないが、あの後出来た心理カウンセラーという夢には着実に近づいている。

「お疲れ様」

コンビニの前で僕に話しかける声が聞こえて止まる。自転車から降りて隅に止め、彼女の元に走る。

「千佳もお疲れ様」

頬が緩んでいることをバレないように言った。ボブになった千佳は一段と綺麗で滝野千佳って感じになっている。

「卒業出来てよかったね七絃」

「うん。千佳もようやく社会人一年目が終わるね」

「大変だったよ。2年生の担任に国語の先生、それと演劇部の顧問。掛け持ちしんどかったな」

千佳は、中学校の先生になった。親から聞いた噂では結構人気があるらしい。よかった。

「4月からもお互い、頑張ろ」
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