【母子恋愛】かあさんの子守唄
最終回
それから2週間後であった。

アタシとまゆこさんは、角突き合わせの大ゲンカを繰り返すようになった。

これにより、まゆこさんとゆうとが結婚生活をつづけて行くことが不可能になった。

アタシは手遅れにならないうちに家を売却しようと思って不動産屋へ行ったが、入ることができなかった。

きょう行くことができなくても明日行けばいい…

…と分かっているのに行動に移すことができない…

どうしたらいいのよ…

その日の深夜11時50分頃であった。

まゆこさんは、タクシーで帰宅した。

この時、アタシは居間のテレビを見ながらまゆこさんの帰りを待った。

アタシは、まゆこさんが帰ってくるたびに『遅いわよ!!』と言うてねじ込んだ。

ねじ込まれたまゆこさんは、アタシにこう言い返した。

「義母さま!!アタシはチュウボウのあとかたづけなどのお仕事がたくさんあったから帰りが遅くなったのよ!!」
「何なのよまゆこさんは!!」
「義母さまは、アタシのことをそこまで悪く言うのですか!?」
「まゆこさんこそなによ!!ゆうとのお給料が少ないと言うてブジョクしたから許さないわよ!!」
「義母さまこそ何よ!!」
「まゆこさんこそなによ!!」

アタシとまゆこさんは、大声をはりあげた。

部屋にいるゆうとは、ふとんの中にもぐり込んだあと震えていた。

アタシとまゆこさんの嫁姑間で生じた深刻な対立が原因で、ふたりは離婚を考えるようになった。

9月の最初の月曜日の朝早くであった。

ゆうとは、疲れた表情で家からことでん平木駅まで歩いて行った。

まゆこさんも、つらそうな表情でパートに行った。

アタシは、ふたりの背中をもうしわけない表情で見送った。

ゆうとは、お昼のお弁当を食べずにゴミ箱に捨てるようになった。

周りの従業員さんたちが恋人やお嫁さんの手作りのお弁当を食べていることが気に入らない…

幸せな表情でお弁当を食べている従業員さんたちを見るたびに『まゆこはぼくにお弁当を作ってくれない…』と怒りながらお弁当をゴミ箱に捨てることを繰り返した。

コウガミさんは、ゆうとに対して『まゆこさんはパートに出ているからお弁当を作ることができないからお弁当を注文しているのだよ…』と伝えた上でごはんの大盛りに変更ができるよと言うた。

(ガーン!!)

コウガミさんに言われたゆうとは、コウガミさんの頭を硬いもので殴りつけた。

その後、近くにいた従業員さんたちに殴りかかった。

「オドレが食べているお弁当はまゆこの手作りか!?」
「違いますよ…カノジョが作ってくれたサンドイッチだよ!!」
「ふざけるな!!ぶっ殺してやる!!」

ゆうとは、周りにいた従業員さんたちを近くにあったカッターナイフで斬《き》りつけた。

ゆうとは、周りにいた従業員さんたち7人を殺したあとコウガミさんをナイフで刺して殺した。

その後、ゆうとは工場から逃走した。

それから数時間後であった。

家に工場から電話がかかってきた。

ゆうとが工場で刃物を振り回して暴れた末に従業員さんたち7人が死亡…

多数の従業員さんたちが負傷した…

それを聞いたアタシは、眼の前が真っ暗になった。

もうダメ…

アタシのせいで…

ゆうとが…

人殺しになってしまった…

どうしよう…

時は、深夜11時過ぎであった。

まゆこさんがものすごく疲れた表情で帰宅した。

帰宅したまゆこさんは、ユニクロのロゴ入りの大きめの紙袋を出したあとクローゼットに入っている着替え類とメイク道具を取り出した。

それから2時間後であった。

まゆこさんは、着替え類とメイク道具がぎっしりと詰まっている紙袋と赤茶色のバッグを持って家から出ていこうとした。

この時、居間にアタシがいた。

うつろな表情を浮かべているアタシは、童謡『かあさんの歌』を歌いながら涙を流していた。

まゆこさんは、どぎつい表情でアタシを見つめたあと家出した。

このあと、まゆこさんはタクシーに乗って平木《ちく》から離れた。

(テーテーテーテーテーテーテーテー…ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…)

またところ変わって、ことでん片原町駅の裏の通りにて…

付近の線路に、長尾方面から到着した終電車が走行していた。

ゆうとは、近くを通りかかったやくざの男たち10人と大ゲンカを起した。

「ふざけるなクソアホンダラ!!」
「やるんかコラ!!」

この時、ゆうとは男がおとした拳銃をひろった。

そして…

(ズドーン!!ズドーン!!ズドーン!!)

ゆうとが拳銃で数人のヤクザを撃ち殺した…

「アニキ!!」
「ヤロー!!ふざけやがって!!」
「待てコラ!!」

ゆうとは、拳銃を捨てたあと逃走した。

ヤクザの男たち数人は、ゆうとを追いかけ始めた。

このあと、ゆうとは一生ヤクザに追われる身になった。

まゆこさんが乗っているタクシーは、瀬戸大橋の坂出北インターに入ったあと本州方面へ向かった。

(ザーッ…)

家の居間のテレビの画面は、ザラザラした色が映っていた。

アタシは、テーブルに顔をふせて眠っていたがフレイルによる心不全で亡くなった。

ゆうと…

まゆこさん…

ごめんね…

ダメになったかあさんを…

許して…

【バットエンド】

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