不良男子はお人好しちゃんを振り向かせられない。
第六話
◇次の日
◯学校・教室

澪「あっ!渡すの忘れてた!これね、『れんくん』」

蓮夜「……は?なんだ、そのれんくんって」

澪「れんくんともっと仲良くなりたいから。れんくんどう?」

蓮夜「……悪くはねぇんじゃね」


照れる。


澪「ふふっ、よかった」

美夏「おーはよっ、澪ちゃん」

澪「木崎くん!おはよ」

美夏「もう、その“木崎”ってやめてよ。美夏って呼んで」

澪「わかったよ、美夏くん!」

美夏「で……その甘えん坊の弟くんとはどうなの?」

澪「へっ?ああ、れんくんのこと?仲良くやってるよ」

美夏「そうじゃなくて……ソイツ、澪ちゃんのこと好きなんでしょ?」

クラスメイトの耳に入る。
一瞬で広まった噂。


女子1「えっ……嘘、あの最悪の不良が澪ちゃんのこと好きとか、怖……」

男子1「宮乃さんとどう考えても釣り合わねぇだろ」


気がつけば、蓮夜を悪い目で見るものが増えていた。


澪「あっはは〜みんな違うよ、れんくんが私のこと好きって言うのは姉としてだよ?」

蓮夜「……ちげぇよ」

蓮夜「俺は本当に、コイツのことが好きなんだよ!!」


大きな声でそういい、出て行ってしまった蓮夜。


澪「れんくん!!」


名前を呼んだ澪の手首を掴んだ美夏。


美夏「ねぇ、澪ちゃん……僕も、澪ちゃんのことが好きだよ」


◯ 美夏回想シーン


美夏「……はーあ……」


成績が悪く、いつも親に怒鳴られてばかり。

もう嫌だと学校の屋上で1人ため息を溢した。

2人の兄がいる。自分と違って、頭のいい兄が。



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