【辛口ヒューマンドラマ】雲にのりたい
第13話
(ピーッ、ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…)

翌朝6時半頃であった。

私は、国電下松駅から西鹿児島行きの寝台特急《ブルートレイン》はやぶさ号に乗って旅に出た。

前夜、私は宮島口にある終夜営業のラーメン屋で長距離トラックをヒッチハイクしたあとトラックに乗って下松駅へ向かった。

駅に到着したあと、立席特急券《チケット》を購入して寝台特急《ブルートレイン》に乗った。

(下松駅から終点までの間は立席特急券でB寝台車に乗ることができた)

B寝台個室にいる私は、二度寝していた。

途中、門司駅でけん引する電気機関車《きかんしゃ》を換えるなどのために60分ほど停車した。

その間も、私は二度寝していた。

(ゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトンゴトン…キーッ…プシュー…)

午前11時50分頃であった。

寝台特急《ブルートレイン》が終点・西鹿児島駅(鹿児島中央駅)に到着した。

ショルダーバッグを持って列車から降りた私は、改札口《かいさつ》を通って外へ出た。

駅前の広場に出た時であった。

ムシムシとした空気が私の身体に伝わった。

広場に立っている私は、空を見上げた。

青い空にもくもくとした大きな入道雲《くも》が空に浮かんでいた。

天気予報で鹿児島の予想最高気温が38度である他、西日本から東日本の太平洋側を中心に35度を超える猛暑になると伝えられた…

これはいかん…

倒れそうだ…

そう思った私は、駅の中にあるレストランへ行った。

駅の中にあるレストランにて…

私は、冷ややっことえだまめをさかなに白波(ショーチュー)の生貯蔵をのみながら考え事をした。

私が小4の時、上の義姉《あね》が言うた言葉を思い出した。

養父《ちち》が前科持ちでケームショで暮らしていたことがあった…

養父《ちち》は、過去にどんな犯罪《あやまち》を犯したのか?

ますます知りたくなった…

私がバイトをやめる2週間ほど前だった。

7年前に子持ちの男性(55歳くらい)と結婚したあと大阪へ移り住んだ上の義姉《あね》から電話があった。

上の義姉《あね》は、私に対して『養父《おとー》さんと最初に結婚したお嫁さんが養父《おとー》さんから受けた暴力で殺された…養父《おとー》さんは、無期懲役でケームショにシュウカンされた…あの時、4歳の男の子がいたのよ…』などと話した。

養父《ちち》が最初のお嫁さんと暮らしていた場所は知覧《ちらん》(南九州市)であったことが分かった。

知覧《ちらん》へ行けば、養父《ちち》のことを知っている人たちがいると思う…

私は、のみかけの白波をゆっくりとあじわいながらつぶやいた。

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