不憫な妹が可哀想だからと婚約破棄されましたが、私のことは可哀想だと思われなかったのですか?
第一章 姉妹の争い
 魔法学園に入学してから一年間は、特に問題はなかったといえる。
 友人もそこそこできたし、学業にも励めた。順風満帆といっても、差し支えない一年間だったと思っている。
 しかし、そんな私の日常は一瞬で崩れ去ることになった。魔法学園に、私の妹であるエムリーが入学してきたからだ。

「……お姉様は邪魔なんです」
「邪魔……」

 私と妹は、幼少期の頃から仲が良くなかった。
 お互いのことを敵であると認識していたのである。
 その関係性は、私から始まったものという訳ではない。エムリーから始まったものだ。

「あなたはいつも私の上に立っていた。長女だからという理由だけで!」
「それは……」
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